まず、なぜかアクセスカウンターの数字が桁違いに増えていますね・・・。
夫が唯一の読者と思っていたのですが(前回そのように書いたのですが)、
どう考えても夫以外の方たちからのアクセスと思われ・・・戸惑いもありますが
ありがとうございます。

さて新国立劇場バレエ団の『ライモンダ』。鑑賞するのは初めてです。Kバレエでは
絶対にやらない作品なのでぜひ観たいと思いました。座席はなんとど真ん中。同じ列の
ブロック違いに吉田都芸術監督がいらしたので、かなりいい席だったようです。

この回はライモンダが木村優里さん、ジャン・ド・ブリエンヌが井澤駿さん、
アブデラクマンが速水さん。速水さん目当てでチケット取りました。

幕が開くと、いかにも「中世」という感じの美しい、そして厳かな感じの
舞台セット。いきなりライモンダ、ジャン・ド・ブリエンヌ、そしてアブデラクマンも
登場していて、ちょっと驚きます。が、アブデラクマンはそのまま退場。

1幕は華やかで優美な世界でした。木村さんのライモンダは、可憐さと気品、
そして優しさにあふれた魅力を感じさせました。アブデラクマンが彼女への
プレゼントとして差し出した子供の奴隷を見て「まあ可愛らしい!」と同時に
「なんて可哀想・・・」という表情を見せたのが個人的にとても好きでした。
井澤さんのジャン・ド・ブリエンヌは気高く優雅な雰囲気がとても素敵で
木村ライモンダとよくお似合いでした。2人のパ・ド・ドゥは夢のように幻想的な
美しさでいつまでも観ていたいと思ったほど。アンサンブルのダンサーさん達も
堅調な踊り。淡い緑色はこの作品のテーマカラーなのかな、と思いましたが、
衣装にもその色が使われていて、綺麗でした。

2幕。待望のアブデラクマンが本格登場です。速水さんのアブデラクマン、すごーく
かっこよかった~!!おひげもよくお似合い。婚約者がいるライモンダを我がものに
しようと、ひたすら押して押して押しまくる。ライモンダへのプレゼントの宝石を
鷲づかみにしたり、ワイルドでセクシーな男性でした。サラセン人の王、という
設定ですが、速水さんは実際の年齢のせいか、王子、という感じ。でもその分、
爽やかさとエネルギッシュさの加わったアブデラクマンになっていたと思います。
バリエーションもエキゾチックで、ポーズの時の表情もかっこよく、「私が
ライモンダだったら、このままアブデラクマンにさらってほしいわ~・・・」とか
妄想しながら観ました。優雅でたおやかなジャン・ド・ブリエンヌとの対比も
鮮やかで、その点でも見ごたえがありました。
そんなアブデラクマンの情熱的なアプローチに、ライモンダの気持ちがつい揺れ動く
・・・というストーリーなのですが、木村さんはただひたすら困惑、という感じに
見えたので、「アブデラクマンにもつい心惹かれてしまう」という部分がもう少し
はっきり表現されるとよかったかな。最後には力づくでライモンダをさらって
行こうとするアブデラクマンですが、まさに危機一髪というその瞬間に
ジャン・ド・ブリエンヌが帰還。決闘になると、意外とあっさり殺されてしまいますが
・・・最後までライモンダへの愛を表し続けてこと切れます。
2幕はスペインやサラセン人の踊りも入り、1幕とはまったく違った異国情緒豊かな
場面が続き、とても楽しかったです。でも2幕は本当に速水さんばかり観ていて、
そのせいかあっという間に終わってしまった・・・。

3幕。この場面はすっかりハンガリー風。そして、結婚式の場面なのに、なぜか
重苦しいような雰囲気で幸せいっぱいという感じではない・・・特にライモンダの
「手打ちのバリエーション」と呼ばれる踊り。どうやら結婚式の直前に人が殺される
(アブデラクマンのことね)という事件が起き、しかもそれが自分を巡る男性同士の
戦いだったため、手放しでは喜べず苦しさを覚えている、ということのよう。
それでもチャルダッシュなどのキャラクターダンスとともに、有名な
グラン・パ・クラシックが華やかに踊られ、アンサンブルを背景にして
ライモンダとジャン・ド・ブリエンヌの気高く美しいポーズでフィニッシュ。

新国立劇場バレエ団としては12年ぶりに全幕の『ライモンダ』だったそうですが
久しぶりに観客を入れての公演だったせいもあったのか、この回も盛況でした。
カーテンコールも3~4回あり、主役の木村さん、井澤さん、速水さんの時はひときわ
大きな拍手が。スタンディングオベーションする人も結構いて、私も合流しました。
初鑑賞の作品だったので、主役以外のバリエーションやコール・ド・バレエなど、
あまり細かい点に目が行き届かなかったのが残念です・・・。
でも何より速水アブデラクマンにノックアウトでした。このキャストでぜひ
もう一度観たいです! 映像にはなりそうにないけど、再演を熱望します。

ライモンダ-キャスト表
キャスト表

新国立バレエ-ライモンダ1
ライモンダとジャン・ド・ブリエンヌ

新国立バレエ-ライモンダ3
ライモンダとアブデラクマン

新国立バレエ-ライモンダ4
アブデラクマン