2日目観てきました。私が見た限り、今日も満席。吉田都芸術監督と昨日『マクベス』で
主演を踊られた米沢唯さんが揃って鑑賞されていました。都さんは可愛らしく、
唯さんもお綺麗でした。

『マクベス』
2度目なので音楽が少し自分の耳に馴染んできたように感じます。
奥村さんのマクベスは、身体のラインが細くてイマイチ戦士らしく見えない点だけが
残念・・・初盤はどうしても王子っぽく感じてしまいました。演技は素晴らしかった。
ダンカン王を殺害した直後の慄き、バンクォーの亡霊に錯乱するところなど
さすがでした。
小野さんは美しく妖艶なマダムでマクベス夫人がぴったりな感じ。やはり初盤が
少し硬かったかも。あと全体的にもっと悪い感じがあってもよかったように思います。
井澤さんのバンクォーは昨日より生き生きしていた感じがしました。
赤いベッドが出て来る場面。深い罪悪感に心身ともに苦しむ夫をベッドに寝かせる
マクベス夫人ですが、直後に彼女もベッドの足元に座り込み放心した表情になります。
夫マクベスがダンカン王やバンクォーを殺害した罪の意識に苦しむ姿を見て、自らも
罪悪感に目覚め始めるのかもしれない、と思いました。しかし・・・そんな思いを
振り払うかのようにマクダフ一家の抹殺を命じます。暗殺者が軽く抵抗するような
表情を見せましたが、夫人は「殺すのよ」というマイム。ここの絢子さん怖かった。
マクダフ夫人(与布さん・・・昨日はハーミア役 ^^)と2人の子供が殺される場面では
子役ちゃんたちも頑張りました。特に女の子のほう、どうも首を絞められて
殺されるようなのですが、最初足を激しくばたつかせていたのがだんだん動かなくなる
・・・という恐ろしい演出を熱演していました。
(一緒にいた貴族=浜崎さんは逃げおおせたのですね・・・男なら真っ先に
殺されそうですが)
有名なマクベス夫人の夢遊病の場面とそこから先の悲劇は今日も圧倒的でした。
悲嘆にくれるマクベスと夫人の亡骸のパ・ド・ドゥは死体として(=脱力状態)の
踊りは大変でしょうが、まったく違和感がなく素晴らしかったです。
マクダフ、今日は中島駿野さん。駿野さんのシリアスな役は珍しい。戦士だし、
復讐に燃えてマクベスを倒す役なのでもうちょっとマッチョな感じがほしい・・・
と思ったけど、奥村マクベスであれば駿野さんがバランス的にいいのかもしれません。
マルカムは上中さん。おっとりした感じで意外にお似合いの役でした。
マルカムに王冠が与えられ、マクベスの生首が掲げられるところで幕。
でも、最後には正義が勝つ、という感じでもなく重苦しい結末。この作品(原作)の
深さを思わされました。

『夏の夜の夢』
今日はティターニアが池田さん、オーベロンが速水さん。はい、速水さん目的です。
最初に出て来るのは妖精たち。幻想的な美しさです。
メンデルスゾーンの曲も正統派でありながらも軽やかで美しい。
池田さんのティターニアは可愛らしく、女王というより王女様というところ。
オーベロンの速水さんも威厳や重厚感はやや薄目。このペアは女王と王というよりも
若々しいペアという雰囲気のほうが目立った感じがします。
速水さんはお顔が小さいので装飾の多いお衣装だと表情がちょっとわかりにくく感じ
オペラグラス多用でしたが、ティターニアとの喧嘩で悔しがる表情はよかったです。
パックは石山蓮さん。やはりすごい跳躍&回転。超絶テクニシャンのための振付です。
石山さんは後半のほうが高く跳んでいたと思います。で・・・この振付だったら
速水さんのパックを観たかったな・・・という妄想をしてしまった速水さんファンの
私です・・・。
合唱部分を今日も堪能しました。本当にきれいな声。ちなみに歌詞は英語ですね。
4人の若い男女、今日はハーミアが中島春菜さん、ヘレナが益田さん、ライサンダーが
小川さん、ディミートリアスが小柴さん。男性2人のかつらにはちょっと違和感というか
面白さが・・・(笑)。ヘレナとディミートリアスの掛け合いも可笑しかった。
この4人が登場する場面はずっとドタバタで笑いを誘います。
それとボトム。今日は福田圭吾さん。こういう面白い役はお得意ですね。演技面では
たいてい何かしらアドリブを入れてくるダンサーさんですが、ポワントで踊る今回は
さすがに余裕がなかったのか、規定通り(?)に踊り、演じられたようです。
妖精たちがボトムにお熱をあげているティターニアを見て「えっ?」「(ぎょっ!)」
となるところは笑いが起きました。
4人の若者の混乱する恋愛模様を見たオーベロンの「いったいどうしたんだ、これは」
という表情、パックに「お前のせいだ、何とかしろ!」という表情も好きでした
(←マニアックな感想ですけどね)。その次のオーベロンとパックの”踊り合戦”、
速水さんはわりと慎重に踊っていたように見えましたが、石山さんは「これでもか!」
という感じですごかったです。
若者たちが2組の恋人同士に落ち着き、ボトムが人間に戻り、ティターニアの魔法が
解けた後のパ・ド・ドゥ。池田さんも速水さんもにこやかに踊っていました。
大団円の作品はやっぱりいいですね。『マクベス』が重くて暗い結末だったので
明るい結末にほっと気持ちがゆるみました。

ちょっと思ったのが、両作品ともあらすじを予習したほうがいいかな、ということ。
特に『マクベス』は登場人物の名前も覚えにくい(私は)ので・・・これから鑑賞に
行かれる方へのアドバイスです。

シェイクスピア・ダブルビル-キャスト表-マクベス-20230430
キャスト表-マクベス

シェイクスピア・ダブルビル-キャスト表-夏の夜の夢-20230430
キャスト表-夏の夜の夢

シェイクスピア・ダブルビル-ブルーモヒート混ぜる前
今日は幕間にブルーモヒートを飲みました。とてもきれいな色。ブルーキュラソー、
ライム、トニックウォーター、ミントの限定カクテル。モヒートはホワイトラムを使うのですが、
これはノンアルコール(となると本当はミントジュレップですが・・・)。
お子さんでも
飲めますね。よく混ぜて飲んで下さい、ということなので・・・

シェイクスピア・ダブルビル-ブルーモヒート混ぜた後
混ぜるとこんな色に。甘酸っぱい味で美味しかったです